姿勢
筋の緊張が過剰に強い場合、特に手足の緊張が高く関節の動きが少なくなります。また、反り返りが顕著になり、嬉しいとき、悲しいとき、誰かに何かを伝えたいときなど全身の緊張を高めて表現をすることが多いです。反対に筋の緊張が低い場合、手、足、首、身体の緊張が低く弛緩しています。重心の子は非対称姿勢が進行しやすく、運動能力や日常生活、生命維持に影響を及ぼすため早くからの姿勢のケアが重要です。
移動
一般的には肢体不自由の子供たちは移動するのに車いすを利用しています。
寝たきりの子供であっても医師の処方によって子供に合った車いすを作ります。座位をとることによって視線の位置が高くなり、周囲の動きが見渡せます。また呼吸や嚥下にも欠かせない大切な姿勢です。そのためには身体に合った良い座位を保てる車いすが必要です。
立位が取れたり、介助があったら歩行ができる子供たちはウォーカーや補助具を使って自分の力で移動しています。
食事
重い障害があっても、子供にとって食事は何より楽しみな時間です。
重心の子供たちには赤ちゃんの離乳期のような食べ方をする子が多いです。そこで提供する食事は一人一人段階にあった形態に加工します。(ミキサー食、ペースト食、きざみ食、柔らか食、普通食、など)
また、誤嚥にも気を付けないといけないので、食べるときはまず体の線に対して頭がのけぞらない角度で安定できる姿勢を保つよう気を付けます。そして本人のペースで安全に食べられるような配慮が必要です。
口から必要カロリーや水分を摂取するのが困難になって経管栄養を併用している子もいます。
排泄
ほとんどの子が自分から尿便意の訴えが明確に行えないこと、また介助によってもトイレや尿器での排泄が困難なため、オムツを使用しています。
子により排尿、排便のタイミングが異なりますが、家や学校でのトレーニングにてトイレでの排尿ができるようになる子もいます。
重心の子は骨折や股関節脱臼をしやすかったり、長時間同じ姿勢をとることから褥瘡ができやすかったりします。オムツ替えの時には気を付けてケアしています。
入浴
低年齢であれば介護者が抱っこして入浴したり、軽量のシャワーチェアに座りシャワーを使ったりします。
身体が大きくなってきたらリフターを設置して使ったり、訪問入浴サービスを利用したりします。
お風呂には下記の効果があります。
①身体を清潔にして血液の循環を良くすること。
②心も身体も爽やかにし、気分を和ませること
③身体が軽くなるので運動機能訓練に最適なこと。
④親と子の心と肌が触れ合うチャンスになること。
みんなお風呂が大好きです。
意思表示
子どもたちはみな声や視線、表情、身体など全身を使っていろんなことを伝えようとしています。学校や訓練の場ではその子その子ができる表現の力を伸ばすために様々なアプローチをしています。その中でも「選択」は自己決定の表明や、言葉と同様のコミュニケーションの重要な手段として、多くの子供たちに取り入れられています。中には「コミュニケーションボード」を使って表現をすることができるようになる子どももいます。
でもそれよりなによりこの子たちの笑顔は言葉がなくてもいろんなことが伝わる最大のツールです!