◆2021年度 卒業生
医療的ケアが必要な18歳の娘の母です。
この春に娘は特別支援学校を卒業し社会人になりましたが、現在通所待機中です。
進路のことを振り返ると、娘が小学部の頃から横浜市北部地域の進路先が少なく、特に医療的ケアが必要な子どもは受け入れ先が限られていました。
そして、娘が学校を卒業する頃には定員がいっぱいで行き先がなく、在宅生活になってしまう可能性があると聞いていました。
やっと学校に入ってから体調も安定し、毎日楽しく安定した生活が送れるようになりましたが、進路のことを考えると不安しかありませんでした。
高等部に上がってからも進路状況はあまり変わらず、娘は卒業後どうなってしまうのか、もし在宅生活になってしまったら親の介護はどうしたらよいのか、不安な気持ちのまま進路を考えなくてはいけない時期が来ました。
しかし、高等部2年の時に学校の進路の先生から新しく生活介護事業所を開所するところが数か所あるとの情報を頂きました。
もしかしたら娘も通える所があるかもしれない。少し気持ちが楽になりました。
やっと明るい兆しが見え、娘の将来を考えた時に、たくさんの人と出会い、これからもいろいろな経験を積んで楽しく過ごして欲しいと思い、通所先を2か所併用することを希望しました。
新しく開所する所があるとは言え、希望を出しても断られてしまうこともありましたが、無事に2か所通所先が決まりました。
しかし、学校と通所先との引継ぎ実習も終わった3月初め、卒業式を間近に控えたこの時期に、娘が通う予定だった通所先の一つが開所できなくなってしまいました。
まさかこのようなことが起こるとは想像もしていませんでしたし、卒業後も同級生と一緒に通えることを親子で楽しみにしていたのに、娘に何て伝えればいいのだろう。とてもショックでした。
正直、私自身しばらく気持ちの切り替えができない状態でしたが、このような事態になってしまった娘たちのために、学校の先生方をはじめ、普段からお世話になっている北部地域で一番大きい重心障害者通所事業所(A事業所)の計画相談員や職員の方々など、たくさんの人が動いてくださいました。
学校の進路の先生は、もう一度進路先を当たってくださり、川崎市まで見学にも行かせて頂きました。
私は、多少遠くても通所することができ、安定した生活を早く送らせてあげたい気持ちでしたが、吸引が頻回な娘の負担を考えると遠い所に通うことは現実的ではなく、諦めることにしました。
そんな中、A事業所の施設長さんから通所先が見つかるまで泊なし短期(一時ケア)で受け入れをして下さるお話を頂きました。
週2日しか通所できず、あとは在宅生活になってしまうと思っていたので、本当にありがたく、救われた気持ちになりました。
現在、娘は週2日他区にある生活介護事業所に、週3日はA事業所の泊なし短期(一時ケア)を利用しています。
※この泊なし短期の週3日の利用はずっとできるわけではなく期限が設けられています。
最初の2か月は、新しい環境や生活リズムの変化に慣れることに親子で必死でしたが、やっと最近になりペースが掴めてきました。
生活介護でも泊なし短期でも、娘が楽しく過ごすことができるよう考えてくださり、本当に感謝しています。
しかし、いつ通所先に空きが出るかもわからず、いろいろな不安も押し寄せてきます。
A事業所の泊なし短期では利用者が娘一人だけの日もあり、通える所があるだけありがたいですが、一人の寂しさやスタッフの方々の負担、いろいろなことを考えてしまいます。
娘には一日も早く安定した生活を送らせてあげたいです。そして、このようなつらい思いをもう誰にもしてほしくありません。
これから学校を卒業する子どもたちがたくさんいます。
この横浜市北部地域の危機的状況に不安しかなく、みんなが北部地域に生活介護の必要性を感じています。
どうか子どもたちが地域で安心して生活できるよう、横浜市として協力していただきたいです。
来年の卒業生が、娘のようにならないよう切に願っています。
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